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『エリザベート』のゲネプロ見学

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エリザベートとトート(der Tod)。

今日は梅田芸術劇場で明日プレミエとなるミュージカル『エリザベート』のゲネプロです。

梅田芸術劇場は、ちょっと古びた内装と真っ赤な座席が素敵な、
どことなくアン・デア・ウィーン劇場を髣髴とさせるような、
なかなか素敵な雰囲気の劇場です。

私は2階席のど真ん中、ものすごくいい席をいただきました。
途中から感動して、涙がぽろぽろと…
ウィーンで一度観ていたのと、字幕がついているのとで、
今回はとてもよく作品が理解できたように思います。
いやもうとにかく、音楽がすべてすばらしい。
歌も芝居も踊りもあって、そして、めまぐるしく変化するクプファーの演出もあいまって、最初から最後までずっと舞台にひきつけられます。
あっと驚くような舞台美術に、メリハリの効いたダンス。
たまりません。
オペラにはない楽しみがあるんですよね、ミュージカルって。
あと、扱われていることが万国共通のテーマなのです。
その一つは「嫁姑のいざこざ」です。
世のどこに、嫁姑問題のない国があるでしょう。
フランツ・ヨーゼフが腰抜けだから、彼はなかなかエリザベートの苦悩を理解できず、お母さんの肩を持つようなことばかりする。
絶望の淵で、エリザベートは夫に迫る。
「お母さんか、私か、どっちかを選んでちょうだい!」
フランツはエリザベートを選ぶ。
その時のフランツの言葉は、女性の観客たちのハートをぐっと捉えるに違いない。
何ともこにくいドラマ展開ではないか。
もう一つ、お涙頂戴シーンを挙げるとすれば、母親の愛情を受けることのなかった息子ルドルフが母親に気持ちを打ち明ける場面。
彼はこの後自殺することになるのだが…

要するに、このミュージカルの人物たちは皆それぞれの思いがあって、
それぞれに苦悩していて、それぞれその苦悩と向き合いながら生きているということ。
誰が正しいとか誰が間違っているとか、
誰がいい人だとか誰が悪者だとか、
そういう価値判断みたいなことは抜きにして、
そういう枠を超えて、それぞれの人間がそれぞれのやり方で生きているっていうところに重点を置いているんです。
思うに、よくできた素材というものは、
それが小説でもオペラでも演劇であっても、
この人は「いい人」、この人は「悪い人」って簡単に決められるような作品は、ほとんどないのではないだろうか。
ものの見方っていろいろあるから。
だから面白いんじゃないかなぁ。
モーツアルトの『後宮からの逃走』でのパシャ・セリムだって、
『魔笛』のザラストロだって、悪い人からいい人に転じたように、
人間には二面性、いやそれどころか、三面性、四面性があるのかもしれないわけで。

エリザベートにしたって、あの人はウィーンでは人気者かもしれないが、
やってることからしたら、結構問題の多い人物です。
自己矛盾しているし、屈折してもいる。
いい人でも悪い人でもない。

要するに、人間のそういう矛盾したところも含めて、
クプファーという人は、オペラであろうとミュージカルであろうと、
人間の内部を鋭く描いていくんですよね。さすが!

これから1ヶ月ほどの上演、日本ではどのように受け入れられるでしょうかね。

ウィーンの客演が終わると、今度は宝塚の雪組がこの舞台をするそうです。
そのせいか、今日のゲネプロには宝塚で『エリザベート』の主役を演じるタカラ・ジェンヌたちや、宝塚の生徒たちでしょうか、タカラ・ジェンヌのジュニアみたいのが、わらわらわらわらいっぱいいました。
異様なまでの、何だかすごい雰囲気でした。
なんかもう、普通の人たちと違うんですよ。
特に、男役の人たち。人目で宝塚と分かります。
思いがけないところで、貴重なものを見せてもらいました。
GPの後の写真撮影会とインタビュー。
宝塚のエリザベート役やトート役も一緒に。
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で、メインはこっち!
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エリザベートの息子ルドルフ役のルーカス・ペルマン。
楽屋口にいたら、ジーンズ姿でさっそうと歩いていきましたが、
実に10頭身くらいありました。
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もいっちょルーカスさん。

さて、今日のメインはゲネプロの後にあったはずなのですが…
長い一日はまだまだこれからなのでした。

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