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『欲望という名の電車』

欲望という名の電車 欲望という名の電車
テネシー ウィリアムズ (2005/08)
慧文社
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欲望という名の電車に乗って、
ブランチは妹ステラのアパートへとやってくる。
彼女がそこで見、そこで体験したことの全ては、
それまで彼女が知らなかったことばかり。
彼女がよりどころにしていた世界観や価値観は、
全く新しい世界の中で次々に崩れ落ちていく。
そうしてブランチはアイデンティティ崩壊の危機に直面し…。

テネシー・ウィリアムズの戯曲。
淑女気取りのブランチの恐るべき過去が次第に明らかになっていく過程が面白い。
ブランチは、最後には見るも無残な姿に変わり果てる。結構、残酷。
彼女がそれまでよりどころにしていたものなんて、
結局新しい世界に入ってしまえば何の意味もない。

ト書きには、ことあるごとに音楽の説明が入っていて、
この戯曲が世に出た1947年当時のアメリカを特徴付けていると同時に、
ドラマの内部でも何らかの暗示的役割を果たしているみたいだ。
とりわけ、ブランチの心の動きと連動しているように見える。
本で読むより舞台で見ればもっといろいろなことに気付けるような気がする。


以下、備忘録として…
ブランチの台詞から印象的だったものを。

■「死の反対は欲望。おかしい?」

■「そう、私は見ず知らずの人に次から次へ身を任せたものだわ。アランが死んでから―見ず知らずの人に身をまかせること以外に、うつろな心を満たしてくれるものはないように思われた…ただもうこわかったから、こわさに駆り立てられて、次から次へ、私を守ってくれる人を捜し求め―あちらこちらと、見つかるあても―ないところまでほっつき歩き―」

■「あんた、ニューオーリアンズのこういう長い雨の午後はお好き?一時間がただの一時間ではなく―ふと手に入った永遠のひとかけら―どうあつかえばいいかだれも知らない、こういうひとときは?」

1 Comments

オーレンカ  

追記


作者テネシー・ウィリアムズの言葉:
「ブランチ・デュボアは私自身だ」


他人事じゃないってことみたい。

2007/03/25 (Sun) 17:24 | EDIT | REPLY |   

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