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リヒャルト・クライン/ヨハンナ・ドンボア「リヒャルト・ワーグナーのメディア」


Richard Wagner und seine Medien: Fuer eine kritische Praxis des MusiktheatersRichard Wagner und seine Medien: Fuer eine kritische Praxis des Musiktheaters
(2012/10)
Johanna Dombois、Richard Klein 他

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面白い本が出てた!やっと借りてきた(悲しいかな、この本はとても高いのだ…)

近年のワーグナー関連書籍の中でも、私的にはかなり好きな文献に入る。
学術的でないという批判もあるかもしれないが、ワーグナー作品を学術だけで扱わなければならない理由もない。

著者のリヒャルト・クライン氏(恐ろしく研究の範囲が広く、ワーグナー、アドルノ関連のみならず、近年はボブ・ディランについても単著を書かれている)の超鋭い考察に、目から鱗。
この方については少しだけ存知上げているが、大変面白い方なのだ。少々ぶっとび系。
《黄昏》の音楽の一部を「Tahiti Klang」(タヒチ音響)と表現しておったまげたよ、私は。
どこか少年のよう(なんてこんな学者さんに対して失礼な)。まあとにかくお茶目な方なのだ。
そして共著者のヨハンナ・ドンボアの「レジーテアター」についての考察も、これまたとても面白い。
この方は演出家としても活躍しているので、実地については、学者の思い至らない点にも突っ込める人。

二人に共通するのは、キレ。
考察も文章もキレている。

さらに、この本の何が優れているかというと、ワーグナーとメディアという現象について、思想的側面とプラクシスの側面の双方から照射している点。
ワーグナー研究には、この双方が欠かせないのだ。
思想だけでも、文献だけでも、舞台だけでも、だめなのだ。
だから、シンポジウムなども意味がある。
それぞれの研究分野の専門家が、総力を合わせることで、ワーグナーという現象の一旦が明らかになるんじゃないかと、最近思う。
一人で全部は無理。だからこそ、学際的な議論の意義は大きい。

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