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ボリス・ゴドゥノフ

ムソルグスキー:歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」(映画版) ムソルグスキー:歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」(映画版)
ピロゴフ(アレクサンドル)、ミハイロフ(マクシム) 他 (2001/10/25)
ニホンモニター・ドリームライフ

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はっきり言って、この手のオペラは苦手。
暗い、重い、煮え切らない、くどい、うるさい。

この印象は演出によるところも大きいと思う。
非常にしけた、古臭い演出。
信じられない数のエキストラを動員し、
ロケにも相当金をつぎ込んだものと予測がつく。
スペクタクルな舞台であることは確かだ。
しかし、衣装から舞台美術から化粧から、
とにかくあらゆる点でごてごてとしていて、
人間たちがその中に埋もれてしまって
人間一人ひとりがあまり見えてこない。

音楽は一本調子でメリハリに欠け、
聴かせどころ泣かせどころがほとんどない。
メロディも全く耳に残らず、
結局フェイド・アウトでオペラは幕。

いつになったらクライマックスが来るんだろうと我慢して観ていただけに、
少々不完全燃焼。

この演出は1954年のもの。
まだスターリンも生きていた時代では?
ソ連のためのプロパガンダを含んだ演出のような気がする。
民衆たちを啓蒙・洗脳しようとしたのかとも思えるくらい。

愛と嫉妬が登場しないオペラは
私にとってオペラではない。

人の心を揺さぶるのは、
人が人を深く愛し、そのために喜び、そのために嫉妬し、
そのために苦悩し、場合によってはそのために死ぬということじゃないだろうか。
オペラはそれを音で表現するから、感動するし、泣ける。

『ボリス・ゴドゥノフ』は、愛や嫉妬と無縁のオペラの一例。
ここに描かれるのは、
政治と、政治を巡る過去のトラウマや幻にさいなまれる一人の人間の狂気。
それらを表現する音楽が暗い・重い・くどい・・・となってしまうのも必然だろう。

政治的なオペラでも愛情関係が現れるオペラもある。
例えば、『ドン・カルロス』。
『アイーダ』もそう。
そこには、一つの愛の極限的な形が描かれているように思う。
どうしたんだ、ボリス。
プーシキンって、こういう作家だったのか。
他の作品も読んでみたいと思った。

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