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プッチーニ:歌劇『トスカ』映画版

プッチーニ:歌劇「トスカ」映画版 プッチーニ:歌劇「トスカ」映画版
ロベルト・アラーニャ、ルッジェーロ・ライモンディ 他 (2003/05/24)
紀伊國屋書店
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情念の美と映像の美と音楽の美。
三拍子そろった『トスカ』決定版とも言うべきDVD。

オペラを映画仕立てにした作品で、映画館でも上映された。
オペラの部分はカラーで、カヴァラドッシの追憶はあせた色で、スタジオでの録音風景はモノクロで。効果的に色を使い分けていて、映像を見ているだけでも十二分に楽しめる。

キャスティングも素晴らしい。
アラーニャ、ゲオルギュー夫妻はもちろん、ライモンディのスカルピアがいい。いかにもいやらしそうで、ぎらぎらしてて、卑劣非道な悪代官。なのに、歌唱に妙な説得力がある。本当にトスカを欲してるから、彼なりに切実なのがよく伝わってくる。とはいえ、感情移入まではできないが。

オペラの演出自体はオーソドックスで、とりわけひねりがあるわけではない。
ただ、アラーニャのカヴァラドッシがすごい。最後のシーンでは、彼は自分がこれから死ぬことを知っている。これから二人で生きられることに大喜びする無邪気なトスカと、彼女との最後の時をしみじみと味わうカヴァラドッシのコントラストは、見ていて痛々しい。

アントニオ・パッパーノの指揮は全く緩むことがなく、息もつかせぬ勢いでラストまで一気に上り詰める。彼の音作りが全体を引き締めている。

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