『ある子供』

ある子供 ある子供
ジェレミー・レニエ (2006/06/23)
ハピネット・ピクチャーズ
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若者の心や言動を超リアルに描写した映画。
何の飾り気もなく、ただ淡々と事実だけを示し、
そこに何の主張も教訓めいたこともない。
音楽もなければ、想像の世界や回想シーンといった時間差の映像もない。
描くのはあくまで「今」この瞬間のありのままの現実。
お金も家も家族も友達もない絶望的な状況の中で、ブリュノは彼なりに一生懸命、けなげに生きている。
自分の子供は売るし、人はだますし、犯罪は繰り返すし、お金のためなら何でもやるどうしようもない生き方だけど、今の彼にはそれしかできない。見ていてはらはらするし、痛々しい。

恋人だったソニアがブリュノに会いに来るシーンでは、ぼろぼろ涙がこぼれた。
二人は何の言葉も交わさない。
お互いの顔を見つめ合って、それから、ただただ涙を流す。
その涙は、失望とか、悔恨とか、悲しみとか、やるせなさとか、
いろんな意味があるのかもしれないが、どの言葉でも正確には表現できない、とても切ない涙。
人でなし同然だったブリュノの涙の意味は、それだけに重い。
本当に大事なものが分かった、そんなところから来る涙に見えた。
でも、話はそこでおしまい。
それから先のことは観る人の想像にゆだねられている。というより、想像なんてしなくてもいい。
そんなことにこの映画は重点を置いていない。リアリティをリアルに描く。ただそれだけ。
それがただ一つの現実であり真実なのだろうから。
10:41 | Film des Tages | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
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