FC2ブログ

自由帖

ARTICLE PAGE

ヤナーチェク:《カーチャ・カバノヴァー》

カーチャ・カバノヴァー*歌劇 カーチャ・カバノヴァー*歌劇
デノーケ(アンジェラ)、キューブラー(ダビット) 他 (2001/12/21)
ジェネオン エンタテインメント
この商品の詳細を見る


2005年。カンブルラン(シルヴァン), デノーケ(アンジェラ), キューブラー(ダビット), ヘンシェル(ジェーン), スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団

レビュー チェコの民謡が盛り込まれた、現代的ではあるが、どこか素朴な音楽が、BGMのように流れて心地よい。

歌手もそろっている。歌も演技もいいが、この上演に出てくる歌手はスタイルがすごくいい。そういう歌手を選んだのだろうか。カーチャ役のデノーケはモデルなみ。声量もあるし、とにかく演技がすばらしい。個人的には、悩める青年キューブラーが奥ゆかしくて素敵だと思う。

もともと、チェコのとある田舎がこのオペラの舞台である。だが、演出家マルターラーは、これを現代の世界に置き換え、作品を現代人の日常と読み替え、それをただ淡々と描写する。どこにも救いがない。
時々、ギャグめいた踊りが挿入されたり、登場人物が突発的に意味不明な動きをしたりして、オペラの叙情的な雰囲気はいいところでぶち壊しにされる。
まるで、演出家が観客を酔わせないようにしているかのようだ。


マルターラーの演出・ヴィーブロックの衣装は、2005年に新演出が初演された、バイロイトでの「トリスタン」での手法と酷似。あれが、このチームのカラーなのだろう。
結局は、人と人の関わりのなさ、冷たさ、無関心さを前面に出す演出。興ざめするような一種異様な舞台だが、それはそれで説得力がある。人間と人間の結びつきに対する諦めというか、それを夢見る人間に対する冷ややかな視線というか、何かこう、演出家の冷めたものがにじみ出ている。

後味は良くないかもしれないが、インパクトは強く、いろいろと考えさせられる演出。

0 Comments

Leave a comment

テンプレートに関するご質問・不具合のご報告の際はご自身のブログアドレス記載必須です
ご質問の前に必ずお読みください ↓
FC2テンプレート ご利用時のお願い