いのちがしぼりあげられるような感動

 
 ぼくは太平洋戦争がはじまる直前に十二年間のフランス生活を切り上げて日本に帰ってきた。そしてすぐに兵隊にさせられた。中国の真中、漢口の近くにつれていかれて、言うにいえない苛烈な軍隊生活を送った[中略]
 戦争も軍隊も知らない、いまの人たちにはわからないだろうが、「ホフク前進」という、銃を地面につけないように捧げたまま、這って前に進む訓練があった。これはキツイ。フラフラ、目もくらむまでそれをやって、最後に「突撃に前へー」という号令でパッと立ち上がって突っ込む。
 また「伏せーっ」という号令。息もたえだえで地面に這いつくばったとき、ぼくは目の前に小さな花がゆれているのを見た。雑草のなかに、ほとんど隠れるようにして、ほんとうに小さい、地味な、赤っぽい花だった。
 そいつと鼻をつきあわせて、ぼくは、いのちがしぼりあげられるような感動にふるえた。
 こんなに広い大陸の、荒れた原野で、これっぽっちの、小さい、何でもない”いのち”。おそらく誰にも見られることのない。オレのような、惨めな初年兵が偶然にも演習で身を投げ出したから、はじめて目を見はったのだが。
 だが、何という美しさなのだ。小さい、その全身を誇らかに、可憐に、なまめかしくひらいて、はてもなく青いこの空の下に咲いている。



今日、岡本太郎の本を読んだ。
地下鉄で暇つぶしに読もうと思ったら、やめられなくなって、一気に読んでしまった。
彼は天才なんだけど、ただ非凡でぶっとんでいるだけでなくて、すごくすごく優しい心を持っている。
引用したこのパッセージはとりわけ、私の心をぐっと捉えた。

こういう花を美しいと思える心が、美しい。

美しいものはたくさん転がっているけれど、
それに気がつくか気がつかないか、
それを美しいと思うか思わないか、
感動するかしないか、

人間の人生を決めるくらいに、大きなことだと思う。

「いのちがしぼりあげられるような感動」

それを感じるか感じないかも、その人次第なんだろう。
そういう感動を、最後に持ったのはいつだろうと振り返ってみる。
つらつらと 記憶の糸をたぐりよせながら…
09:27 | 言葉のおくりもの | comments (1) | trackbacks (0) | page top↑

ぼー

ぼーっとしてるとほめられた

素直に うれしい

さっき帰宅し 日本からお土産にもらった味噌で

ぞうすいを作って食べて

ぼーっとしていた

そうしたら 外では花火が上がり始めた

今日 ベルリンは壁崩壊から20年を迎えた

歴史が動いた日だ

東西が分断され

その運命に翻弄された人たちは いったいどのくらいいるのだろう

一人ひとりの人生に どれほどの影響を与えたことか

05:21 | Tagebuch | comments (4) | trackbacks (0) | page top↑

ベルリン

7月。

毎日のように夕立がきます。
一日中カラッと晴れてる、という日がありません。
昨日は10度近くまで下がりました。
今年の夏はあまり暑くないらしいです。

04:52 | Tagebuch | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

学ぶこと

学ぶことは、教えられることとは違う。
自分で捕まえることなのだ。



辻仁成『そこに君がいた』
06:11 | 言葉のおくりもの | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

自由帖改め

ベルリンに無事着きました。
これから、いよいよベルリン生活が始まるのだなぁと
ちょっぴりどきどきしています。
自由帖は、初めてかれこれ3年目くらいかと思います。
ずいぶんと長く続いたものです。
これからも、ひとりごち日記として続けていこうとは思いますが、
ベルリンでの生活や音楽・オペラ・演劇の感想などについては、
次のブログにてアップしていこうと思っております。
↓↓

新しいブログ

どうぞよろしくお願いいたします。

by オーレンカ
16:57 | Tagebuch | comments (4) | trackbacks (0) | page top↑

お花見@西国寺

今日は、親友のYとその旦那が尾道まで遊びに来てくれた。

桜がちょうど見ごろを迎え、尾道は花見客でごった返していた。

千光寺はやめて、西国寺へ行った。

最高に美しかった。

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お父さんもお花見したよ。
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今日来てくれたYとは、3年ほど一緒に暮らした仲だ。

一緒に飲んで、いろんなことを語り合った。

以前、大失恋(当時はそう思った)して、

酔って彼女の前で大泣きして酒をあおって、

もんのすごい二日酔いになって、世話してもらったこともある。

今日は、ラーメン屋でラーメンすすりながら、

あーだったね、こーだったね・・・と話していたら

麺がのびてた。


今までの人生で、いつが一番幸せだった?

自分の人生で最も意味があった時期は、いつだったの?

と彼女に聞かれて、

すぐには答えられなかった。

いつだろう。

大学に入ってしばらくした頃・・・?20の頃かなぁ。

分からない。


でも、今が一番、人生において大きな意味を持ってると思う。

そして、今が一番幸せなんじゃないかって、思った。


あなたがいてくれてありがとう。

という想いがこみあげてきて、

帰りの車では、涙がぽろぽろ流れたよ。
20:10 | Tagebuch | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

おはぎちゃん

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18年一緒に暮らしたおはぎちゃんの写真が出てきた。

よく私の布団の上で眠ってた。

夜には、もぞもぞと布団の中にもぐりこんできた。

おはぎちゃんはぶちゃいくな猫だったが、

なんとも言えず可愛らしかった。

今でもたまに夢に出てきてくれる。

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01:57 | 猫写真&Co. | comments (4) | trackbacks (0) | page top↑

寿司金@尾道

いとこ夫婦と母親と4人で、尾道の寿司金へ行った。

尾道では、ダントツの寿司屋だと思う。

マスターが、やわらかい雰囲気の、笑顔の優しいおじさんで、

その姿を見てると、なんだかほっとする。

中トロが、口へ入れてしばらくすると、すっととろけて、そのおいしさは言葉にならない。

肉厚で歯ごたえのよいイカもおいしかった。

新鮮じゃないと、あの歯ごたえはない。

カンパチのカマ焼きもすごくすごかったぞ!

酢の物も、シャコやらタコやらサザエやら、

具沢山で食べ応えあり。

ああ。幸せだった。
23:59 | gourmet | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

寂聴さんの恋愛論

愛の倫理 (角川文庫 せ 1-2)愛の倫理 (角川文庫 せ 1-2)
(1978/08)
瀬戸内 晴美

商品詳細を見る


瀬戸内晴美(寂聴)さんの本。初版は1978年。
恋愛や結婚について書いてあるのだが、非常にリベラルだ。

この本は出家してから書かれたものだが、それ以前には、彼女ご自身も、結婚、出産、離婚を経験されているから、主張に説得力がある。
自らの経験も赤裸々に語っておられて、凄みがある。
女性を対象にした本のようだが、男性も読むと面白いのでは。

偶然にも、私の大好きな、チェーホフの『可愛い女』のオーレンカについて語られる章があり、大変興味深かった。
オーレンカのような「可愛い女」は、実は、男にとって「一番怖い女」なのだそう。

へ〜・・・
まあ、言われてみたらそうだ。
彼女の愛した男達は、みんな死んだり、どこかに消えちゃったりしてる。
永遠に幸せに暮らしましたトサ、
という終わりではないもの。

こないだ、友達とも話してたことに共通する。
本当の魔性の女は、お色気むんむんだったり、危険な女っぽい雰囲気をかもしだしたりして、いかにも「男を喰ってやる」的な女性ではなく、むしろ、可愛くて、あどけなくて、純情で、ちょっとバカで、だからこそ、男がほっとけない!って思ってしまうような女だ、と。

は〜。。。なるほど。

寂聴さんに戻ろう。
『愛の倫理』は、自我に目覚めた女性に向けた本という性格が強く、フェミニズム的な論調もあり、
今ではやや時代感覚と合わないかな、と思われる箇所もちらほら。
でも、女性は読むとよいかもしれない。
自分自身のことを、もっと知るために。
恋愛や結婚に対して、ほわほわと淡い幻想を抱いている若き女性には、特によいのではないだろうか。
00:00 | Buch des Tages | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

cafe comodo@春日井

春日井市のおしゃれなカフェcomodoに行ってきた。

もともと何かの会社の社員寮を改築して造ったということなのだが、

カフェの空間は、そのような雰囲気をほとんど感じさせない、

明るくて解放的で素敵な空間だった。

オーナーさんの雰囲気もまたやわらかい感じで、

空間そのものがほんわかしてた。

日曜日の午後、素敵なジャズライブを聴くことができて

幸福だなぁ・・と思った。


ライブは、ヴォーカル、ギター、ピアノ、ベースで、

本当に優しい音楽。人間が出るんだろうな、音楽には。



いい音楽、おしゃれな音楽、素敵な音楽、

全部当てはまるけど、

気持ちよかった

というのが一番近いみたい。

音が さらさら きらきら してる気がして。



私は、クラシックにしろ、ジャズにしろ、エレクトロニカにしろ、

どちらかというと激しい音楽が好きだったのだけど、

最近は、しっとり、ゆったりした音楽もしみじみ、いいなぁと思うようになってきた。

それには、友達の影響がずいぶんと大きいように思える。


その後、アーティストの方々と話したが、

とても刺激的だった。

と同時に、音楽でつながってる仲間って、

いいなぁと思った。



私はアーティストではないけれど、

同じく音楽を愛する人間として、

オペラ研究者のはしくれとして、

すごく考えさせられた。


私はこれから、どうしたいの・・・?

音楽とどう関わっていきたいの・・・?

私にとって、音楽って一体何なの・・・?

頭の中に、いろんな疑問が渦巻いて

ちょっとくらくらした。

ドイツに行って 一人になったら

そういう疑問と 向き合っていくことになるのかな。
23:19 | Musik des Tages | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

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